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※ 第一印象で書く ※
※ ジャンプ18号掲載・テイルズオブファンダムvol2より ※
※ 第六師団・師団長:カンタビレ ※
※ 迷妄です ※
※ 一応、ディスト亡命直後くらい ※
※ ディストは実際にはヴァンが引き入れましたが、
建前では、研究員として前導師エベノスが連れてきたことになってます ※
※ 年齢・年度の計算は、途中で面倒になったので放棄 ※
※ そんな感じでグダー ※
※ ジャンプ18号掲載・テイルズオブファンダムvol2より ※
※ 第六師団・師団長:カンタビレ ※
※ 迷妄です ※
※ 一応、ディスト亡命直後くらい ※
※ ディストは実際にはヴァンが引き入れましたが、
建前では、研究員として前導師エベノスが連れてきたことになってます ※
※ 年齢・年度の計算は、途中で面倒になったので放棄 ※
※ そんな感じでグダー ※
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「サフィール」
冷たい扉に問いかける
「サフィール」
何度も、
「サフィール」
何度も、何度も、
「サフィール」
「五月蝿いですよ、もぅ・・・」
彼が根負けして返事を返すまで
「よかった、元気そうだ」
ため息は扉越しでも聞こえた
「えぇ、元気ですとも
どっかのバカ皇帝が、囚人にキッチリ三食食事を与えてくれますからね」
「お前は偏食だから、メニュー選びも大変なんだぞ」
「はいはいはいはい、バカ皇帝の温情をかみ締めて食べさせていただきます」
言葉の後ろのフフと小さな笑い声が続く
けれど、
「ねぇ、バカ皇帝」
そんな穏やかな空気を、
「私はいつ処刑されるんですか?」
彼自身が一蹴した
「サフィール」
姿が見えない
彼の姿は、この冷たい扉の向こう
窓ヒトツない部屋で、彼は一人きり、きっと膝を抱えてる
息が詰まりそうな、その小さな箱の中、彼は気を狂わせることも出来ず、静かな静かな呼吸を繰り返す
「そこは、寒くないか?」
「いいえ」
問いかけに問いかけを返したことを咎めることもなく、彼は即答した
「もう慣れました
私は、彼と別れた日からずっと、こうして生きてきたのだから」
今まさに、手が触れる、鉄の扉のように、冷え切った解答
氷を砕くような、細やかな悲鳴
「サフィール」
今まで、耐えられないことはなかった
「サフィール」
監禁生活も、先生との死別も、
「サフィール」
初恋の人との離別も、愛しい銀世界との別れも、
「サフィール」
人を殺した時も、人が死んだ時も
「・・・サフィール」
自分にとって、耐えられないことはなかった
けれど、今、彼が孤独であることが耐えられない
この鉄の扉を引き裂けたなら、抱きしめて、その冷え切った身体を温めてやるのに
触れる扉は酷く冷たい
どうして、どうして、彼だけがこんなにも孤独なのだ
「ピオニー」
不意に近くなった声に、顔を上げる
けれども、見えるのはやはり、冷たいだけの扉
でも、わかる
扉の向こう、すぐ目の前に彼が居る
「ピオニー」
名を、舌で転がすようにゆっくりと、唱えて
「ピオニー」
言葉の後ろのフフと小さな笑い声が続く
それは、酷く寂しげに
「私は自分で、『此処』に居ることを決めたんです」
孤独という、寂しくも穏やかな牢獄に身をゆだねる事を、決めた
最愛の徒に見捨てられたあの日に・・・
「どうか、気に病まないで
私はもう、此処でしか生きてはいけない
私はもう、誰も受け入れることが出来ず、誰にも与えることが出来ないから・・・
だから私は、望んで此処に居る」
「でも、其処は、寒いだろう、痛いだろう、苦しいだろう、辛いだろう」
「けれど、此処から出ることも、痛く、苦しく、辛いんです」
もう裏切られたくない、もう裏切りたくない
傷つけあうことに疲れ、愛し合うことの意味を見失った
だから自分は、『孤独』に居る
『孤独』でしか、生きてはいけない
でも、それでは生きていけない
だから、死を望む
「サフィール」
ピオニーの手が、ざらざらとした冷たい扉を撫でる
「・・・待ってろ」
「・・・?」
「待ってろ、お前を必ず其処から出してやる」
カリリと扉に爪を立てる
「ゴメン、一人で・・・寒かったよな・・・
けど、絶対に其処からだしてやる
それで、俺に抱きしめさせろ」
「ピオニー?」
「もう、お前を独りにしないから」
だから、
「お前の温もりを思い出させてくれ」
---*----*-----*-------*--------*-------------*---------------
世間では、ディストの牢屋=鉄格子なイメージが強いようですが、
個人的には、鉄扉の個室希望
閉塞感が強いのが良い
冷たい扉に問いかける
「サフィール」
何度も、
「サフィール」
何度も、何度も、
「サフィール」
「五月蝿いですよ、もぅ・・・」
彼が根負けして返事を返すまで
「よかった、元気そうだ」
ため息は扉越しでも聞こえた
「えぇ、元気ですとも
どっかのバカ皇帝が、囚人にキッチリ三食食事を与えてくれますからね」
「お前は偏食だから、メニュー選びも大変なんだぞ」
「はいはいはいはい、バカ皇帝の温情をかみ締めて食べさせていただきます」
言葉の後ろのフフと小さな笑い声が続く
けれど、
「ねぇ、バカ皇帝」
そんな穏やかな空気を、
「私はいつ処刑されるんですか?」
彼自身が一蹴した
「サフィール」
姿が見えない
彼の姿は、この冷たい扉の向こう
窓ヒトツない部屋で、彼は一人きり、きっと膝を抱えてる
息が詰まりそうな、その小さな箱の中、彼は気を狂わせることも出来ず、静かな静かな呼吸を繰り返す
「そこは、寒くないか?」
「いいえ」
問いかけに問いかけを返したことを咎めることもなく、彼は即答した
「もう慣れました
私は、彼と別れた日からずっと、こうして生きてきたのだから」
今まさに、手が触れる、鉄の扉のように、冷え切った解答
氷を砕くような、細やかな悲鳴
「サフィール」
今まで、耐えられないことはなかった
「サフィール」
監禁生活も、先生との死別も、
「サフィール」
初恋の人との離別も、愛しい銀世界との別れも、
「サフィール」
人を殺した時も、人が死んだ時も
「・・・サフィール」
自分にとって、耐えられないことはなかった
けれど、今、彼が孤独であることが耐えられない
この鉄の扉を引き裂けたなら、抱きしめて、その冷え切った身体を温めてやるのに
触れる扉は酷く冷たい
どうして、どうして、彼だけがこんなにも孤独なのだ
「ピオニー」
不意に近くなった声に、顔を上げる
けれども、見えるのはやはり、冷たいだけの扉
でも、わかる
扉の向こう、すぐ目の前に彼が居る
「ピオニー」
名を、舌で転がすようにゆっくりと、唱えて
「ピオニー」
言葉の後ろのフフと小さな笑い声が続く
それは、酷く寂しげに
「私は自分で、『此処』に居ることを決めたんです」
孤独という、寂しくも穏やかな牢獄に身をゆだねる事を、決めた
最愛の徒に見捨てられたあの日に・・・
「どうか、気に病まないで
私はもう、此処でしか生きてはいけない
私はもう、誰も受け入れることが出来ず、誰にも与えることが出来ないから・・・
だから私は、望んで此処に居る」
「でも、其処は、寒いだろう、痛いだろう、苦しいだろう、辛いだろう」
「けれど、此処から出ることも、痛く、苦しく、辛いんです」
もう裏切られたくない、もう裏切りたくない
傷つけあうことに疲れ、愛し合うことの意味を見失った
だから自分は、『孤独』に居る
『孤独』でしか、生きてはいけない
でも、それでは生きていけない
だから、死を望む
「サフィール」
ピオニーの手が、ざらざらとした冷たい扉を撫でる
「・・・待ってろ」
「・・・?」
「待ってろ、お前を必ず其処から出してやる」
カリリと扉に爪を立てる
「ゴメン、一人で・・・寒かったよな・・・
けど、絶対に其処からだしてやる
それで、俺に抱きしめさせろ」
「ピオニー?」
「もう、お前を独りにしないから」
だから、
「お前の温もりを思い出させてくれ」
---*----*-----*-------*--------*-------------*---------------
世間では、ディストの牢屋=鉄格子なイメージが強いようですが、
個人的には、鉄扉の個室希望
閉塞感が強いのが良い
彼は全てを集めてる
些細な一言、小さな動作、欠片ほどの感情
全てを、まるで標本にするかのように、集めて保管する
捕らえた蝶を、崩さないように丁寧に虫ピンで刺し、原型を残したまま、美しいままに、箱へ
そして、その結晶した時間を眺め、彼は生きている
いつか、その蓋を開け、ピンを外せば、蝶が再び羽ばたき舞うのだと信じて
蝶の標本は美しい
けれど、それは結局、墓場でしかないのだ
綺麗な綺麗な綺麗な、墓場
お前は、美しい死体を守る、悲しい墓守を続けてる
手を伸ばせば全てに手が届く、小さな部屋に標本を飾って、
足すら伸ばせずその身を縮こまらせるばかりの、狭い部屋を墓場で埋めて
お前は夢を見る
時を留めているのは、箱の蝶と、お前の心だけなのだと気づかずに
蓋を開ければ、蝶は舞うのだと
過去が再び、目の前に踊りだすのだと
信じてる
美しいばかりの墓場を眺め、信じてる
-----------*-----------------*-------------
(けれど、蓋を開けたとき、きっと蝶は崩れてしまうだろう)
絶対記憶なディスト
ピオ視点なのか全くわからない
些細な一言、小さな動作、欠片ほどの感情
全てを、まるで標本にするかのように、集めて保管する
捕らえた蝶を、崩さないように丁寧に虫ピンで刺し、原型を残したまま、美しいままに、箱へ
そして、その結晶した時間を眺め、彼は生きている
いつか、その蓋を開け、ピンを外せば、蝶が再び羽ばたき舞うのだと信じて
蝶の標本は美しい
けれど、それは結局、墓場でしかないのだ
綺麗な綺麗な綺麗な、墓場
お前は、美しい死体を守る、悲しい墓守を続けてる
手を伸ばせば全てに手が届く、小さな部屋に標本を飾って、
足すら伸ばせずその身を縮こまらせるばかりの、狭い部屋を墓場で埋めて
お前は夢を見る
時を留めているのは、箱の蝶と、お前の心だけなのだと気づかずに
蓋を開ければ、蝶は舞うのだと
過去が再び、目の前に踊りだすのだと
信じてる
美しいばかりの墓場を眺め、信じてる
-----------*-----------------*-------------
(けれど、蓋を開けたとき、きっと蝶は崩れてしまうだろう)
絶対記憶なディスト
ピオ視点なのか全くわからない