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雑記帳
小ネタ版
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窓の外を、飽きもせず眺める少年を眺める
硝子一枚向こうの世界は、薄青い雨の世界
「ディスト」
「はい」
「コレはなに?」
「雨ですよ」
「雨」
「この星で、大気中の水分の循環によって起こる降水現象、
 またはその現象により降り注ぐ水滴への名称」
ディストは辞書からそのまま抜き出したような説明をシンクへ与える
「人にっては、それを恵みや悲しみに例えます」
「恵みと悲しみなんて、全く別物じゃないか」
「感じ方は人それぞれですから」
「理解できない」
「理解ではなく、感性です」
「・・・どうせ、僕は空っぽさ」
フイっとシンクは窓辺から去り、本棚から適当な本を抜き、ソファで読み始める



「シンク」
数時間後、書き物をしていたディストが不意に、シンクの元へ歩み寄った
「おいで」
有無を言わさず、本を奪い取り、空いた手を取り歩き出す
「なに、ちょっと」
半ば引きずられるように部屋を出て、そのまま外へ
「ほら、雨が上がっています」
まるで子供にするように、柔らかく手を繋ぎ、湿る地面を踏む
「・・・不思議な匂いがする」
大気全体が湿り気を帯びていて、衣服を緩く濡らしていく気がする
「雨の後には、虹が見えることがあります
 あいにく・・・今日は見えませんがね」
「虹、七色」
「えぇそうです」
ディストは振り返り、柔らかく微笑む

「私は、雨が好きです
 故郷にはなかった現象ですからね
 あそこでは・・・雨は凍りつき、全て雪に変えてしまうから・・・
 けれど、私はここで、こうして空から温かいものが降るのだと知りました
 雨は温かい
 だから、好きです」

「・・・温かいから、好き」
「シンクも、たくさんのことを知りなさい」
そして感じるようになればいい
アナタは、まだ空っぽなのだから

「・・・僕は、雨上がりが好きだ」
「その心は?」

「・・・包まれている、気がする・・・」

「・・・えぇ、心地良いですね」

--*--*--*--*--*--

ディストとシンクは親子
っていうか、母子(なんか言った)
シンクは確かに空っぽだろうけど、それは、これからたくさん、詰め込めるってコトだと思う
きっと、『イオン』っていう記憶を背負わされ、自分じゃない自分というガラクタでいっぱいだったイオンより、
彼は望むことができ、得ることが出来たはず
過去でいっぱいなディストは、そんなシンクが羨ましく
未来まで空っぽなシンクは、そんなディストが羨ましい
だから、ディストはシンクに与えて、
だから、シンクはディストから得ようとする
そんな、母子(『母』譲らす)
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※ノベライズ☆アビス最終巻のネタバレを含みます※
※弱グロテスク&ネクロフィリア的表現アリ※

※よろしければ※


※特にあらすじのない単発パラレル※
※近未来っぽいです※
※しかも、全体像は短いくせに、今日分じゃ終わらない(時間の都合)※
※明日続きが書ければなと・・・※

※よろしければ※

2/28 追記
でも、まだ終わらない・・・(汗)

※最終決戦、ルクティア抜き&ジェイド先頭時の会話妄想※
※バッチリ、ネタバレ※
※ヴァンディスも絡むので、にょサフィかも※
※よろしければ※


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