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※ノベライズ☆アビス最終巻のネタバレを含みます※
※弱グロテスク&ネクロフィリア的表現アリ※
※よろしければ※
※弱グロテスク&ネクロフィリア的表現アリ※
※よろしければ※
「・・・少しだけ、時間をください」
瓦礫が騒然と広がる、レムの塔・最上階
アッシュの後を追うために、その場を後にしようとした仲間たちへ、ジェイドが言った
「少しだけ、少しだけです
すぐに追いかけます」
考えさせて欲しいといったレプリカたちの姿も、その場には既になく、砕かれた壁や床から吹き込む風が、彼の髪を揺らす
「わかった、じゃあ、先に行ってる」
仲間の誰もがその不可解なジェイドの言葉の意味に首を傾げたが、ルークだけがそれに答えた
「みんな、行こう」
ルークは戸惑う皆の背を押し、己もその場を後にする
その姿が見えなくなるのを確認してから、ジェイドは迷うことなく、それに歩み寄った
床にポツンと転がった、手
レプリカたちの死体は全て、音素に乖離してしまった
そんな中で、ただヒトツ残った『死体』
「・・・サフィール」
血で斑に汚れた手袋に包まれたソレは、間違いなく、自分が先ほど、彼から切り離したもの
直前まで握っていた自爆装置のスイッチはどこかへ転がってしまったのだろう
何かを掴もうとして、掴めなかった様な、不自然な指の形
ジェイドはそっと、それを拾い上げ、生々しい赤で汚れた手袋を取り去った
真白な、綺麗な手だ
冷たい感触で、正に彫像のようで
思えばこんなにもまじまじと彼の手を見るのは初めてだ
それはスラリと長く、やや骨が浮いていて
雪国で見慣れた、白樺の枝を思い出す
ただ、その爪先だけが、桜貝を飾ったように薄桃色をしている
意外だった
あんな趣味の悪い紅を引いているのだ
爪も当然のように、無駄な装飾を施していると思ったのに
ジェイドは、その爪先にそっと、唇を寄せた
吸い上げ、僅かに食み、舌でなぞる
その触れ方全て、ただその冷たさを伝えるばかりで・・・
何度も伸ばされるこの手に対し、自分がしてきた事といえば、
振り払い、叩き落し、拒絶することばかりだった
その結果、こんなにも残酷な結末になってしまった
「許してくださいね」
ジェイドは小さく呟く
「ただヒトツだけ、許してくださいね」
そして、その手の中の、
「今更になって、貴方と手を繋ぐことを・・・」
『手』をそっとそっと、
「・・・許してくださいね」
優しく、握り返されるコトのない、手を繋ぐ
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ノベライズにヤられた記念(記念?)
この後の最終決戦前夜でもヤられる
そして、リグレットとシンクの扱いにヘコむ
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