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まるで、停留したように

「・・・ねぇ、陛下」
「・・・水臭いな、二人きりの時くらい名前で呼べよ」
「・・・ねぇ、ブウサギ皇帝」
「・・・俺って、そんな名前だったっけ?」
「・・・なんでもイイんですけどね」
「・・・スゲェ良くない気がするけど、まぁイイや。それで?」
「・・・いい加減重いんで、どいてください」

サフィールは穏やかな日の合間を、静かに読書で過ごしていたわけだが、
いつもの如く無断で部屋に入り込んだピオニーがその滞留を粉砕した

とりあえずは、「遊びに来た」と「出てけ」の応酬
無視を決め込んだサフィールにまとわりつき、その手から本を手放せるまで30分
手放すというか、サフィール自ら、ピオニーに向かって投げつけたわけだが・・・
「貴方なんて嫌いです」と「照れるなよ、サフィール」の往復がおよそ30回
最終的に堪忍袋の緒が切れたのは、二人の騒ぎを聞きつけたジェイドだった
「馬鹿ですか、貴方たち」とひとくくりにされ、正座で説教されること1時間
まだ仕事が残ってると退室するジェイドと共にピオニーも出て行くかと思いきや、
彼は何故か、ここにとどまり、

そして、ソファに座るサフィールの膝を枕代わりにして寝そべっている


「・・・俺サマのキュートな頭が重いわけないだろう?」
「・・・あぁ、そうですね。 中身からっぽですもんね」
「・・・酷いな、俺の頭はこんなにもお前への愛で満ちてるというのに」
「・・・リサイクルは無理そうですね、では、生ゴミでイイでしょう」
「・・・おいおい、捨てる気まんまんかよ」
「・・・捨て猫ならぬ、捨て皇帝ですね。きっと気のいい人が拾ってくれますよ」
「・・・サフィールとかな」
「・・・馬鹿おっしゃい」

こんな会話を何往復もしている
気だるいような、停留する時間

「・・・ねぇ、ブウサギ皇帝」
「・・・え、それ固定なの?」
「・・・なんでもイイんですけどね」
「・・・スゲェ良くない気がするけど、まぁイイや。それで?」
「・・・、・・・」
「・・・うん?」
「・・・ねぇ、ピオニー」
「・・・うん」


「こんな日も悪くないですね」


怒鳴りあって、じゃれあって、揃って怒られて、そして

そして、こんなにも穏やかな時間を、二人で過ごす


「・・・悪くないじゃない、良いんだ」
「・・・良くもないですよ、アナタと二人きりなんて」
「・・・そうか、俺は良いと思う」

サフィールが音もなく笑い、ピオニーがその頬に手を添える

互いの視界に、互いしか居ない
そんな、停留するような、


--*--*--*--*--*--*--*--*--

ピオサフィは熟年夫婦(まだ言ってた)
イメージは、縁側でお茶です
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