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雑記帳
小ネタ版
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静かに降る雨

その下で廻る傘が並んで二つ

その間で ゆらゆらと ゆらゆらと揺れる 繋いだ手

傘の狭間で その繋いだ手だけが雨に濡れる

それは 少し冷たいけれど


元親が戯れるように 繋いだ手を揺らす

それは酷く楽しそうに その子供じみた仕草を繰り返す

元就も ただ成すがままに その手から力を抜いて揺れている

互いが手にした傘から落ちる滴が 時折 ポタリ ポタリと 繋いだ手を濡らした

でも その滴は 繋いだ手の間に滑り すぐに温かく消えていく



雨の日

傘の狭間で 繋いだ手が揺れる

言葉は無く ただ ゆらゆらと

今は言葉より

繋いだ手が 何より貴方を伝えてる

--*--*--*--

よくよく考えたら、元就好きに10のお題に解答なかったので、
地味地味と書いていこうかと思います
作った本人は、責任を持って、差し替え用の+3題にも答えて行こうと思う次第です
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その手を取り、己の指先でそっと撫でる

「・・・手相でも見てくれんの?」

片手を元就に預けながら、元親が不思議そうに首を傾げる

「易者の真似事など出来ぬわ」

冷たくあしらいながらも、元就はその手を離さない

まるで何かを確認するかのように、片手で捕らえた手を、もう一方の手で触れる

何度も何度も、この身を抱きしめる、手、腕、温もり

それは染みるほどに知ったモノのはずなのに、こうして眺めれば、全く知らないもののようだ

「・・・・・・」

検分を終えたのか、元就はそっとその手を離す

「元就」

解放された手は、柔らかく元就の背に周される

抱き寄せられるがままに、元就の頭が元親の肩口に触れる

二つの身体は、酷く自然な形で重なり合った

隙間なく、それが本来のあるべき形のように

「どうした?」

元親が、元就に囁きかける

それは、問いかけでありながら、返答を求めない、柔らかな声

「・・・・・・・・」

それに甘えて、元就は返事を返さない


ただ無言で、背に周った温もりを感じていた

眼で見ることの出来ない、その愛しい温もり

染みて、広がり、全身に巡る

そうして、やっと、自分は呼吸の仕方を思い出す


「―――――――――――」


そっと、息を吸い込む

背に触れる優しさがただただ愛しい


それでも、言葉に出来ず

元就は、ゆっくりと、元親の背に腕をまわした



---*---*---*---*---

貴方の優しさは、この背が知っている

もう少し違うコトが書きたかったのですが、「学怖」でフッ飛びました・・・
・・・怖い・・・!!
「元親、知っていたか?
 人の思考は、頭に宿るそうだ」

唐突に問いかけた彼の手には、先日、贈った南蛮の医学書

四国の学者総出で解読したその横文字の書物を、元就はたった数日で読んでしまったようだ

「あちらは凄いな。この国では想像もつかないような考えが常識となっているらしい」

感心したように小さく頷きながら、手元の書物の頁をペラペラとめくる

「人が生きるということの全ては、脳髄に集約されているそうだ。
 魂でもこの身でもなく、両手でつかめる程度の、此処に」

書物から手を離し、元就はまるで耳を塞ぐかのように、両の手で頭を覆う

「・・・だが、不思議だ・・・
 それでも・・・胸が痛むのだ・・・
 苦しい時、辛い時、痛むのは胸なのだ」

輪郭をなぞるように、元就はずるずると手を下ろす

「ただの血肉の塊が痛む
 それは、脳で感じる痛みより酷い
 なにより、癒す方法がわからない
 ・・・これは、何なのだろう・・・」

ずるずると落ちた手は、己の胸元で留まる




「――――――痛い」



それは、治らない、深い傷


---*---*---*---*---

ちょっと、追々書きたいモノへの伏線?的な・・・??
鬼の研修期間で、忘れかけた文の書き方を取り戻すためリハビリ中です
その日、暇を持て余した慶次は市街見物に出かけていたが、急に色を変え始めた空を見上げ、
いそいそと現在の居住地である郡山城に戻ってきた

城の門前に着くころに大粒の雨が降り始め、間一髪という所で濡れ鼠になるのを逃れた

春の雨は未だ冷たく、気分屋で激しい

城主に、街の様子を話してやるため、その執務室に向かう途中、廊下から外を眺めながら思う

春は暖かさの始まりであるのに、どうしてこんなにも冷たいのだろうか

空に未だ残る冬の冷たさが、最期の名残りに大粒の滴となって降り注いでいるのかもしれない

ふとふと浮かぶ取り止めのない思考の気泡を潰しながら、駆けることなくゆったりと廊下を歩む

・・・と、その庭先、木陰の下に人影を見止めて、その足を止める

あれは、八重桜の木だ

朝、まだ雨の降る前には、薄紅の花と新緑の葉が絶妙な色合いで映えていたが、
今は雨で花が散らされ、緑が勝っている

その、木の下

傘もささず、それでいて、木陰で雨を避ける風でもなく

その八重桜と同じように雨に晒される、その背中

「・・・・・・元就サン!?」

その後姿の正体にはっと気づき、慶次は驚愕の叫びとともに、廊下を降り、裸足で庭へ駆け出す

雨が強い

「元就サン!!」

肌を滑り、服へ染み込む冷たい滴

「元就サンッ!!」

耳鳴りのように響く雨音の中、ぽつんと佇むその背を掴む

「・・・・・・・・・・・・・・慶次・・・?」

触れられてようやく気づいたような風で、元就は慶次の顔を見上げた

いつもは外に撥ねる髪が、今は濡れてしっとりと肌に吸い付いている

そして、その髪と、衣服には薄紅の花弁が幾枚も舞い降りていた

「何してんだ、風邪引くぞ」

慶次は自分の羽織を脱ぐと、元就の頭上を覆うように両手で広げる

とりあえずは、彼をこれ以上濡らす事はないが、この大雨だ、いつまでもは持たない

何より、よくよく見れば、元就も自分と同じように裸足だった

「・・・あぁ、あぁ・・・すまない・・・」

まるで夢現を彷徨うような頼りない声で己のびしょ濡れの髪を梳きながら呟く

髪に絡んでいた花弁が、今度は手に張り付く

「・・・どうしたんだ・・・こんな・・・アナタらしくもない・・・」

両手は、彼を濡らさないために使ってしまっている

今、その腕が使えたなら、問答無用に彼を抱きしめていたに違いない

今の元就は、酷く薄い

その気配も、意識も、感情も

するりと何処かへ消えてしまいそうだ

「・・・どうした・・・どうしたか・・・
 そうだな・・・桜を・・・見ていた・・・」

ぼんやりと呟き、羽織の隙間から、傍らの八重桜を見上げる

今朝まで咲き誇っていた花はもう幾許も残ってはいない

それらは大地に布を敷くように、樹木の周りで土の一部となっている

「あんなに美しく咲いていたのに・・・
 ・・・こうして雨に散らされては・・・花も寂しかろう・・・」

ぽつりと呟く元就の瞳には色がない

冷酷な鋭さも、演じる微笑も、何もない幼子のような無垢な色

時折見せるこの瞳に、慶次は胸が締め付けられる

本当は、真実の彼は優しい人だ

利己的と、冷酷と、そう言われるのは彼が演じる一面でしかない

その奥で押し込められた、素の彼は、儚い優しさで満ちている

・・・この時代が、彼を『彼』で居させてくれないのだ・・・



「・・・この雨は、きっと花が呼んだんだ」

桜を見上げる横顔に、慶次が言った

「散った花は、土に還る
 そして、それを糧にして、樹はまた花を咲かす
 ・・・今年は寒かったから・・・こうして、葉が出ても花が残ってしまった・・・
 花はきっと・・・早く早く・・・還りたかったんだ」

巡り巡る次の季節のために

「・・・・・・花が呼ぶ雨・・・花に呼ばれた雨・・・か・・・」

元就はそっと、己の身体に腕を回す

それは、寒かったからだろうか

それとも、その身に染みた雨を抱いていたのだろうか、その身に絡む花をかき寄せていたのだろうか

「・・・戻ろう、風邪を引いてしまう」

そう言うなり、素足でぬかるんだ土を踏みしめ屋内へ向かい歩き出す

「・・・あぁ、そうだな」

慶次も連れ添って歩きながら、何気なく八重桜に振り返る

落ちた花は、大地一面を薄紅色に染めている

土に汚れ、腐り、消えていくものだとしても

それは確かに美しかった



--*--*--*--

これぐらいなら、フツウにサイトにアップしてもイイ文量だと、
書き終わったときに気づく愚か者
以下はケイナリの脳内妄想です
色々痛い

※コミック版ネタバレ?あり※
※元就死にネタ※
※残酷表現アリ※

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