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※コミック版ネタバレ?あり※
※元就死にネタ※
※残酷表現アリ※
よろしければ↓
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「世には美しいものが二つある
あらゆる物を凌駕する絶対的な強さと、
数瞬すら形を留めておれぬほど儚いものだ」
鈍く光る甲冑に身を包んだ男は、歌うかのように朗々と語ると、
足元に転がるモノに視線を落とす
「貴様は美しかった
だが、それは後者の美しさだ」
「・・・ッッ!!」
奥歯をかみ締め、胸を下にして倒れ伏した元就は信長を睨みつける
「・・・まだ諦めぬか」
低く呟くと、信長は手にした剣を振るう
「うっ、くぁああぁああッッ!!」
すると、床より這い出した棘が元就の両足を突き刺した
腿の腱を確実に抉る痛みに耐え切れない絶叫が喉を振るわせる
「良い声だ」
冷たい笑みを零し、信長は元就に歩み寄る
そして迷うことなく、未だ采配を握る右の肩へ刃を付きたてた
「っっっっっ、ッッ!!!」
骨が割れ、折れ、斬られ、自らの意思と関係なく肘から下がビクリビクリと震える
更についでとも言うような仕草で、ショットガンの引き金を引き、逆の腕の肘を打ち抜く
最早、元就の身体に痛みという認識はなくなっていた
ただ、目の前が赤く白く光り、その後に焼かれるような衝撃が走る
「うくっ・・、うぐぁ・・・あぁ・・・ッッ!!」
無傷のハズの肺までも痛みを訴える
四肢は最早使い物にならない
肩から流れ出る血が口元にまで流れ、その唇を僅かに赤くする
両足を棘に貫かれ、右肩を刃で縫いとめられた姿は、まるで捉えられた蝶の末路のようだ
そう思うと、赤く流れ出る血は薄く儚い翅に見える
「美しい」
「ざれ、ごと、、を・・・ッッ!!!」
唯一動くのは、左腕
しかし、その左腕も肘を打ちぬかれ、ただ無様に床を這いずるのみで、結局は何もできない
「貴様の敗因を教えてやろう」
二人きりだった部屋に、火の手が伸び始めていた
「この戦国の業火のたゆたう様に避け過ぎ去ろうとした策は見事
しかし、この狂える波より逃れる事など出来ようか」
信長は、縫いとめた獲物をそのままに、元就に背を向ける
「弱きものよ、この第六天魔王の覇道の前に、美しく散れ」
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コミックは地味に結構ヘコんだよ記念
書き逃げさせていただきます
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