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雑記帳
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その手を取り、己の指先でそっと撫でる

「・・・手相でも見てくれんの?」

片手を元就に預けながら、元親が不思議そうに首を傾げる

「易者の真似事など出来ぬわ」

冷たくあしらいながらも、元就はその手を離さない

まるで何かを確認するかのように、片手で捕らえた手を、もう一方の手で触れる

何度も何度も、この身を抱きしめる、手、腕、温もり

それは染みるほどに知ったモノのはずなのに、こうして眺めれば、全く知らないもののようだ

「・・・・・・」

検分を終えたのか、元就はそっとその手を離す

「元就」

解放された手は、柔らかく元就の背に周される

抱き寄せられるがままに、元就の頭が元親の肩口に触れる

二つの身体は、酷く自然な形で重なり合った

隙間なく、それが本来のあるべき形のように

「どうした?」

元親が、元就に囁きかける

それは、問いかけでありながら、返答を求めない、柔らかな声

「・・・・・・・・」

それに甘えて、元就は返事を返さない


ただ無言で、背に周った温もりを感じていた

眼で見ることの出来ない、その愛しい温もり

染みて、広がり、全身に巡る

そうして、やっと、自分は呼吸の仕方を思い出す


「―――――――――――」


そっと、息を吸い込む

背に触れる優しさがただただ愛しい


それでも、言葉に出来ず

元就は、ゆっくりと、元親の背に腕をまわした



---*---*---*---*---

貴方の優しさは、この背が知っている

もう少し違うコトが書きたかったのですが、「学怖」でフッ飛びました・・・
・・・怖い・・・!!
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